認知症の症状

記憶障害
おかしいなと感じたら、まず最寄りの医療機関へいってみましょう。

認知症でよくみられる記憶の障害を大きく分けると、代表的なものは次のようになります。

  1. 記憶を保つ時間の障害
  2. 記憶の内容の障害

記憶とひとことでいってもそのメカニズムは複雑で、「記憶の障害」にもいろいろなタイプがあります。タイプを知ることで、覚えていられることと忘れてしまいやすいことを大まかに把握しやすくなります。

もし、自分の記憶が衰えていくとしたら、その不安や恐怖は言葉にはできないものです。そのような時、不安を抱えている「記憶にないこと」について「さっき言ったのに」と責められてしまったら、とてもつらいのはないでしょうか。この分類は、「これは難しいけれど、こうすれば出来る」という生活の工夫の助けになると思います。(HR)

記憶を保つ時間

たった今の記憶(直接記憶)
  • 電話番号を聞いて、その場で電話をかけられない
さっきの記憶(近時記憶)
  • 約束を忘れてしまう
  • 同じものを何度も買ってきてしまう
  • ものを置いた場所を思い出せない
むかしの記憶(遠隔記憶)
(時間が経って忘れてしまう)
  • 結婚したことを覚えていない
  • 卒業した学校名を覚えていない

記憶の内容

エピソード記憶
過去の生活のなかで、いつどこで経験したのかという時間的・空間的に特定される個人的な経験の記憶
  • 約束を忘れてしまう
  • 同じものを何度も買ってきてしまう
  • ものを置いた場所を思い出せない
(約束をしたこと、買いおきがあること、置いた場所を忘れてしまう)
意味記憶
言語・概念・記号・顔などの知識に関する記憶。
  • 漢字を読めても意味がわからくなるなど
手続き記憶
技能や操作など身体で覚えた記憶。
  • 自転車に乗れなくなる
  • お茶を入れられなくなる