認知症ってなに?


「認知症」です。「痴呆」ではありません

「痴呆」という言葉の意味は侮辱的な表現です。
これにより、患者や家族の感情やプライドが傷つけられ、痴呆は「恥ずかしい病気」であるとの認識を生じてしまい、早期受診・早期発見の妨げになっていると考えられてきました。
そこで厚生労働省は「痴呆にかわる用語に関する検討会」を設け、平成16年12月24日に呼称変更の採択がなされ、一般的な用語としての「痴ほう症」は『認知症』に変更となったのです。
現在、日本医師会では「認知症」という呼び名で病名を統一するように指導をしています。

痴呆ではなく認知症

もの忘れ+認知障害=認知症

「朝食のおかずを忘れる」「会った人の名前を忘れる」など部分的な「物忘れ」、これが通常の物忘れです。 一方認知症では「朝食をとったこと自体を忘れる」「人と会ったこと自体を忘れる」など、経験したことをすっかり忘れてしまいます。

このような、通常の老化による減少より早く神経細胞が消失してしまう脳の病気、これが『認知症』です。 『脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活がおくれなくなった状態』。これが認知症の定義です。
ちなみに、このような記憶・認知障害が意識障害に基づくものでないことが重要です。 例えば脳卒中の急性期などに意識がもうろうとした状態で記憶・認知障害が起きたとしても、認知症とは診断されません。


「認知症」と「もの忘れ」の違い

認知症は、はじめのうちは歳のせいによるもの忘れとの区別がつきにくい病気です。 大きな違いの一つとして、認知症は体験のすべてを忘れてしまうのに対し、歳のせいによるもの忘れは体験の一部を忘れているという点があげられます。

「認知症」と「もの忘れ」の違い
老化によるもの忘れ 認知症によるもの忘れ
体験の一部分を忘れる 体験の一部分を忘れる
記憶障害のみがみられる
(人の名前を思い出せない、度忘れが目立つ)
記憶障害に加えて判断の障害や実行機能障害(料理・家事などの段取りがわからなくなるなど)がある
もの忘れを自覚している もの忘れの自覚に乏しい
探し物も努力して見つけようとする 探し物も誰かが盗ったということがある
見当識障害はみられない 見当識障害(時間や日付、場所などがわからなくなる)がみられる
作話はみられない しばしば作話(場合わせや話のつじつまを合わせる)がみられる
日常生活に支障はない 日常生活に支障をきたす
きわめて徐々にしか進行しない 進行性である

認知症の多くは「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」です

「一口に認知症といっても様々な種類があり、認知症の原因となる病気にも多くのものがあります。 頭蓋内の病気によるもの、身体の病気によるものなどです。 しかし、多くは「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」です。

アルツハイマー型認知症は、脳細胞の性状や性質が変わってしまうために起こるといわれていますが、 本当の原因についてはいまだによく分かっておらず、そのメカニズムについての研究が行われています。 脳血管性認知症は脳梗塞や脳卒中、脳出血など、脳や脳の血管にまつわる病気が原因で引き起こされます。

なかには、原因となる病気を適切に治療することで認知症症状が軽くなるものもあり、それらは認知症全体の約1割を占めているといわれています。


認知症のおもな種類(認知症の原因疾患)

原因となる病気と認知症のタイプ

主な認知症と原因となる病気
認知症そのものは病名ではなく、いくつかの症状の集まりのことをいいます。
身近な例でいうと「風邪」も症状の集まりで、
【症状】
発熱、咳、くしゃみ、鼻水、のどの痛み、だるさ、食欲不振…
【風邪 [...]