
認知症の症状は、原因となる病気によっても、また、人によっても様々です。
例えば、同じ「A型インフルエンザ」にかかっても、
●Aさん:熱39度、咳が出て苦しい、食欲不振
●Bさん:熱37.5度、くしゃみ、鼻水
といったように、辛いと感じる症状は違います。
ここでは、認知症に関わりの大きい症状を説明していきますが、すべての症状があるわけではありません。
また、いくつかの症状が重なる場合もあり、経過によっては症状が変化していく場合もあります。
ここでの説明の目的は、「どれに当てはまるか?」と判断していただくことではありません。
もし、認知症かもしれないと気にかかっている方がいらっしゃったり、認知症の方が身近にいらっしゃる方がいらしたら、その人の状態を見ながら、どんなことがその人に起きているのかを想像するのに役立てていただければと思います。(HR)
監修:認知症介護研究・研修東京センター センター長 本間昭&原稿作成・HR
認知症でよくみられる記憶の障害を大きく分けると、代表的なものは次のようになります。
人が生活するのに必要なさまざまな関係性を、感覚的に理解することを見当識といいます。言い換えれば、自分が今おかれている状態を理解する能力とも言えます。
人や場所を認識(顔や建物などを見たり、声や音を聞いたりして、それが誰なのか・どこなのか、自分とどのようなつながりがあるのかを把握)するためには、普段は意識していませんが、実に多くの過程を経ています。
失語を説明をする前に、言葉でのコミュニケーションについて簡単に説明します。
言葉でのコミュニケーションには、話す、書く、聞く、読むがあります。
構音とは、正しく発音ができることと言えます。
ここでは、認知症でも脳血管の障害がある時によくみられる構音障害について説明します。
睡眠に関連する様々な症状(病気)をまとめて睡眠障害といいます。
対象が実際にはその場にないのに、あるように感じることをいいます。このとき、ものを感じる身体の部分自体には異常がないことを前提とします。
根拠のない、事実とは異なった内容を事実であると確信していて、論理的に説明してもその考えを訂正することができない考えをいいます。
認知症の方と話していると、まるでその場で話を取り繕っているような感じがすることがあります。
抑制には、「感情の高ぶりや激しい欲望、衝動的な行動などをおさえてとめる」というような意味合いがあります。
易怒性とは、今までは怒らなかったようなささいな刺激でも、急に怒りだしてしまうことをいいます。
不穏は、気持ちや言動が不安定で危機や危険をはらんでいるような、穏やかではない様子をいいます。
情動と感情とは、厳密にいうと定義は異なるものですが、ここでは「刺激に対しておこる気持ちのことで、快・不快、恐怖、怒り、悲しみ、おかしみなど」を指して説明します。
抑うつ、抑うつ状態、抑うつ気分、うつ状態など、似たような言葉がたくさんありますが、ここでは「抑うつ」という表現を使って説明します。
医学的に病気とは考えられないような、医学的な説明のつかない身体の不調を感じることをいいます。
日常の活動や身の回りのことに興味をなくしてしまう様子、また、やる気がおきなくなり、自分から何かをしようとしたり、人と何かをする(何かに参加する)ことが少なくなる状態をいいます。
喜怒哀楽などの感情の変化が少なくなることをいいます。また、他の人の感情に共感する、ということも少なくなります。
1日の生活の流れの中でも午後や夕方頃になると、普段とは様子が変わったようになることを夕暮れ症候群といいます。
今いる場所が生活の場であるのに、「家に帰りたい」と強く思ったり実際に家に帰ろうとしてしまうことをいいます。生活の場は、自宅だけでなく施設や病院の場合もあります。
目的無くあちこちを歩き回る、さまよう様子をいいます。
決まった道(たとえば自分で決めている散歩コースなど)を何度もぐるぐる歩き続けることは周徊といい、徘徊とは異なった捉え方をします。
周囲の人から見ると無目的に思えるような動作ですが、まるで何か意味のある行為(作業)をしているかのような動作を繰り返すことをいいます。
今しなければならないことがあるのに、関心が他に向いたりするとふらっとその場を離れてしまうような行動をいいます。
同じ言葉や動作・行動を何度も繰り返し続けてしまう状態をいいます。