常同行動
同じ言葉や動作・行動を何度も繰り返し続けてしまう状態をいいます。
言葉を繰り返すといったことから、ひとつの動作を繰り返す、散歩や日課のような一連の行動自体を繰り返すといったことまでさまざまですが、ここでは認知症に関連の大きい常同行動を説明します。
(1)言葉に関する常同行動
● 反復言語(失語の説明にも記載)
いったん口から出た言葉を繰り返してしまう状態をいいます。
例)「終わりですね、終わりですね、終わりですね…」と一度言ったことを繰り返してしまう
● 反復書字
いったん書いたものと同じ言葉(文字)を書き続けてしまう状態をいいます。
例)「お元気でお過ごしですか」と書こうとして「お元気、お元気、お元気…」と繰り返してしまう
● 滞続言語(失語の説明にも記載)
いったん口にした言葉が、違うことを言おうとしてもまた口から出てしまう状態をいいます。
例)昼食は何を食べたか聞かれて「うどん」と答えた後、
「これからどこへ行くのですか?」と聞かれて「うどん」と答えてしまう
● オルゴール時計症状
同じ内容の一連の話を繰り返し話してしまう状態をいいます。
例)「私は学生の時から水泳をやっていて、高校1年の時に出た県大会では
自由形200メートルで準優勝して、その後高校3年間の間に…」と
決まった内容の話を会うたびに、繰り返し話す
(2)動作や生活に関する常同行動
● 反復行為
同じ動作を続けて繰り返してしまう状態をいいます。
例)絶えず太腿をさすり続けてしまう
手をパチパチ叩き続けてしまう
● 周徊(しゅうかい)
同じコース(決まった道)を何度も歩き続けてしまう状態をいいます。
例)天候に関係なくいつも同じ道順で決まった場所を、何周も歩いてしまう
コース内の決まった公園やスーパーに毎回同じように立ち寄る
炎天下でも体調に関係なくずっと歩き続けるため、脱水症状で倒れてしまうこともあります。時には赤信号でもとにかく歩き続けてしまうため、事故に繋がることもあります。
また、脱抑制の場合、周徊のコースにある庭先や畑の作物を毎回食べてしまったり、同じスーパーで毎回「食べたいから」と菓子パンを取って食べてしまったりすることもあります。
● 時刻表的生活
決まった時間に毎回決まった行動を必ずすることをいいます。
普段、毎朝新聞を読みながらコーヒーを飲む、ということを日課にしている場合、
何か特別に理由がある時は、今日だけそれをしないで過ごす、
というように日課を変更することができます。しかし、常同行動の場合は
「この時間になったらこう動き出す」というような、変更が不可能な状態をいいます。
1日の中の時間単位で行動が決まっている場合だけではなく、
曜日によって何をするかが決まっている場合もあります。
例)毎日決まった時間になると散歩にでかけてしまう(時刻表的生活と周徊)
もう定年退職したのに、平日には毎朝会社まで行ってしまう(時刻表的生活と周徊)
必ず夕方6時には雨戸を閉め、6時30分には夕刊を読み始め、7時には夕食をとり、
9時に布団を敷いて床につくと決まっていて、
夕刊や夕食が遅れるとものすごく不機嫌になり怒ってしまう。
(時刻表的生活と脱抑制)
(3)食事や食べ物に関する常同行動
● 常同的食行動異常
少ない種類の決まった食材だけを毎日食べようとしてしまうことをいいます。
例)調理するものが毎回同じになったり、味噌汁の具が毎回同じになったりする
同じ銘柄の清涼飲料水だけを飲むようになったりする
時刻表的生活に伴って、毎日決まった時間に毎回同じ数だけ決まった菓子パンを食べてしまう、水を5分おきにコップ1杯ずつ飲んでしまう、というようなこともあり、健康上注意が必要です。



















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